法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントや質問はTwitterまで!

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

東大ロー期末試験 上級民事訴訟法 2016年度(高田裕成問) 解答例

解答例 第1 問題1 小問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 まず、XのY1に対する請求とXのY2に対する請求が固有必要的共同訴訟か通常共同訴訟かが問題となるが、両請求は金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権と保証契約に基づく保証債務履行請求権とい…

平成25年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 第1 Vに50万円を振り込ませた行為について 1 甲の罪責 上記行為について、Vに対する詐欺罪(246条1項[1])が成立しないか。 (1) 甲は「人を欺い」ているか。 ア 「人を欺」く行為とは、処罰範囲限定の観点から、処分者の財産交付の判断の基礎となる…

東大ロー期末試験 上級刑事訴訟法 2016年度 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 検察官の公訴事実では、Xは投稿者とのわいせつ物公然陳列罪の共謀共同正犯であるのに対し、裁判所は、わいせつ物公然陳列罪の幇助犯との認定をしているところ、訴因変更手続(312条1項)を要する異なる訴因を認定しているとして、不告…

東大ロー期末試験 上級民事訴訟法 2017年度(高田裕成問) 解答例

解答例 第1 第1問 1 まず、釈明権の前提として、所有権確認の訴えと共有持分権の訴えの関係が問題となる。この点について、共有持分権の法的性質は、複数の所有権が併存し、相互に制約している性質を有するものであるところ、実体的な包含関係があるとの考…

東大ロー期末試験 上級刑事訴訟法 2017年度 解答例

解答例 第1 設問1 1 (1) エレベーター内及び相談室内の足跡痕採取(以下、「本件採取」という。)は「強制の処分」(刑事訴訟法(以下法名略)197条1項但し書)にあたり、許されないのではないか。もし仮に「強制の処分」にあたるとすると、本件採取は捜査機関…

平成24年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 第1 甲の罪責 1 甲が乙の頸部について甲自動車を運転して全治2週間の捻挫を負わせた行為に、傷害罪(204条)が成立する。 (1) 甲は乙という「人」の「身体」である頸部について、運転行為によって捻挫を負わせており、人の生理的機能を障害し「傷害…

東大ロー期末試験 上級民事訴訟法 2014年度(松下淳一問) 解答例

解答例 第1 第1問 小問1[1] (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 第1に、不要証効(179条)としての「自白」が成立しないか。 (1) 不要証効の生じる自白とは、当事者に争いのない事実である。そして、事実とは、争点整理機能の観点から、広く間接事実及び補助事…

平成23年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 1 甲が嘱託を受け、殺意をもって、乙の頸部を両手で絞め付けて殺した行為に、同意殺人罪(202条)が成立する。 (1) 甲は、乙という「人」から「早く楽にして」と言われている。これは、日常的に乙が「早く一緒に死にましょう」と言っていたことや、「…

東大ロー期末試験 上級民事訴訟法 2016年度(松下淳一問) 解答例

解答例 第1 第1問 小問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 抗弁とは、請求原因と両立し、かつ、請求原因が存在することによる権利の発生を障害し、これを消滅させ、又は権利の行使を阻止する法律要件に該当する事実[1]をいう。 2 本件訴訟物は、XのYに対す…

東大ロー期末試験 上級民事訴訟法 2017年度(松下淳一問) 解答例

解答例 第1 第1問 小問1 1 理由付否認とは、相手方の主張する事実と両立しない事実を積極的に主張する陳述[1]をいう。 2 本件訴訟物は、Xの甲建物所有権である。Xはかかる権利の発生を基礎付ける事実 として、「自分が甲建物を建築した」との主張①をし…