予備試験
解答例 1 甲が、V所有の本件土地について、代理権がないにも関わらず、Aに対し購入をすすめ、売却した行為に業務上横領罪(253条)は成立しない。 (1) 「業務」とは、委託を受けて物を管理することを内容とする事務をいうところ、本件では、甲は、不動産業…
解答例 1 本件で乙中学校が、Xに対し保健体育の評定を「2」としたことにより、Xが近隣の県立高校への進学ができなかった点について、乙中学校校長に信教の自由(20条1項)への慎重な配慮が足りず、裁量の逸脱・濫用(行訴法30条)が認められないか[1][2]。 …
解答例 第1 設問1[1] 1 Cは、本件許可処分について「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)にあたると主張する。 2 「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は侵害されるおそれのある者を…
解答例 第1 設問1 1 X1らのYに対する売買契約に基づく甲土地所有権移転登記請求権は、所有権移転登記が持分権を基礎としてすることができず、かつ、いかなる持分割合での移転登記をするかが原告の意思にかかっていることから、訴訟法上合一確定の要請が…
解答例 第1 設問1 1 Aは、本件申請に対する許可の留保は、行政庁の応答義務(行手法7条)に反し違法であると主張することが考えられる[1]。 2 廃棄物処理法(以下「法」という。)15条の2第1項は、同項各号要件を全て充足しない限り「許可をしてはならない…
解答例 第1 設問1[1] 1 勧告について (1) 「処分」とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。 (2) Xは以下の主張をすべきである。…
www.law-ss.site 以下の解答例は、もう1つの解答例と比較参照しながら検討されることをおすすめします。 解答例 第1 丙及び丁の罪責 1 丙丁が共謀の上、丙が、甲との間で公共工事をA社と契約し、そのお礼として50万円を受け取る旨の約束をした後、丁が現…
解答例 第1 設問1 1 Dから問題文4の請求を受けた甲社が本件株主総会の招集通知に問題文4の議題及び議案の要領を記載しなかったことは、303条2項及び305条1項に反し、妥当でない。 2 議題の請求について (1) ①取締役会設置会社は、②総株主の議決権の100…
1.窃盗罪(235条) (1)占有の存否[1] (2)意思に反する占有移転 (3)不法領得の意思[8] (ⅰ)権利者排除意思[9] (ⅱ)利用処分意思 2.詐欺罪(246条) (1)クレジットカードの不正使用 (ⅰ)自己名義カードの不正使用 (ⅱ)他人名義カードの不正使用 (2)証明文書の…
解答例 第1 犯罪の成否 1 甲がCに対してうその話をして,定期預金の払戻しを申し入れた行為に、Vに対する業務上横領罪(253条)が成立しないか[1]。 (1) 「業務」とは、委託を受けて物を管理することを内容とする事務をいうところ、本件では、甲は会社設立後…
解答例 第1 設問1 1 下線部①の行為(以下「①行為」という。)の適法性 (1) まず、凶器を使用した強盗等犯罪が多発していたJ町において、甲はPと目が合うや、急に慌てた様子で走り出すという怪しい行動をとっているところ、強盗等犯罪の犯人ではないかとの嫌…
解答例 第1 設問1 1 Y及びZに対する請求相互の関係 両請求が必要的共同訴訟か通常共同訴訟かが問題となるが、両請求の訴訟物は別個であり、共同提訴の必要性もないので、必要的共同訴訟にはあたらない。そして、両請求は本件絵画売買契約に基づく代金支払請…
再現答案 (自己評価:B→結果:B) ※平成29年度 予備試験 刑法 参考答案例 との比較・参照を奨めます。 第1 甲の罪責 1 甲が殺意をもって、宅配便を利用して、Vに毒入りワインを送った行為に、殺人罪の未遂犯(203条、199条)が成立しないか。 (1) 甲は…
解答例 第1 甲の罪責 1 甲が、殺意をもって、宅配便をして、Vに毒入りワインを送った行為に殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 (1) 甲は宅配便を利用してワインを送り付け、被害者Vが勝手にワインを飲むようにしむけているに過ぎないが、甲に正犯性が…
解答例 第1 甲宅に対する放火について 1 甲・乙が「共同」し、甲宅にX発火装置を置いて「犯罪を実行」した行為について、現在建造物放火未遂罪の共同正犯(60条、112条、108条)は成立しない。 (1) 甲宅は土地に定着し人の出入りに適した構造を有する建物で…
www.law-ss.site 以下の解答例は、もう1つの解答例と比較参照しながら検討されることをおすすめします。 解答例 第1 丙の罪責 1 丙が、甲との間で公共工事をA社と契約し、そのお礼として50万円を受け取る旨の約束をした上、丁をして現金50万円を受け…
解答例 第1 甲の罪責 1 甲がVに対し鑑定の必要があるなどと言って、仏像を交付させた行為に詐欺罪(246条1項)が成立しないか。 (1) 甲の上記行為は、「人を欺い」ているか。 ア 「人を欺」く行為とは、①財産処分に向けられた②財産交付の基礎となる重要な事…
解答例 第1 Vに50万円を振り込ませた行為について 1 甲の罪責 上記行為について、Vに対する詐欺罪(246条1項[1])が成立しないか。 (1) 甲は「人を欺い」ているか。 ア 「人を欺」く行為とは、処罰範囲限定の観点から、処分者の財産交付の判断の基礎となる…
解答例 第1 甲の罪責 1 甲が乙の頸部について甲自動車を運転して全治2週間の捻挫を負わせた行為に、傷害罪(204条)が成立する。 (1) 甲は乙という「人」の「身体」である頸部について、運転行為によって捻挫を負わせており、人の生理的機能を障害し「傷害…
解答例 1 甲が嘱託を受け、殺意をもって、乙の頸部を両手で絞め付けて殺した行為に、同意殺人罪(202条)が成立する。 (1) 甲は、乙という「人」から「早く楽にして」と言われている。これは、日常的に乙が「早く一緒に死にましょう」と言っていたことや、「…
再現答案 (自己評価:E→結果:C) 第1 設問1 1 まず、本件逮捕は「罪を行い、または現に罪を行い終つた」(212条1項)にあたらないため、現行犯逮捕(212条1項)は認められない。 2 次に、本件逮捕が準現行犯逮捕(212条2項)として現行犯逮捕が許…
解答例 第1 設問1 (以下、刑事訴訟法は法名略。) 1 第1に、甲は下線部①逮捕(以下「①逮捕」という。)時に実行行為を継続していたわけではないため、「現に罪を行」(212条1項)う者にはあたらない。 2 第2に、甲が「現に罪を行い終った者」(212条1項)にあた…
解答例 第1 設問1 (以下、刑訴法は法名略。) 1 逮捕の適法性 (1) ①の逮捕は、同一の被疑事実について逮捕・勾留が先行するところ、一罪一逮捕・一勾留の原則に反し違法とならないか。 (2) 刑訴法は、被疑事実、すなわち事件ごとに身体拘束の厳格な期間…
解答例 第1 設問1 1 ①ないし③の写真撮影は適法か。 (1) 写真撮影は、特定の場所や物や人の身体の性質・状態等を五官の作用で認識する活動という検証たる性質を有する。そして、住居内を撮影する行為は憲法35条が保障するプライヴァシィの利益に「侵入」す…
解答例 1 甲が乙に対し賄賂を供与した事実は、刑罰権の存否及びその範囲を画する事実であるから、その立証に用いる証拠には証拠能力があることを要する(厳格な証明 317条)。 そこで、本件のレコーダーに証拠能力が認められるかにつき検討する。 2 第1に、…
解答例 第1 設問1 1 裁判長は、訴因の特定がなされていないことを理由に求釈明(規則208条1項)しなければならないか。 2 訴因が特定されていない場合、256条3項に反するため、裁判所は公訴棄却をすれば足りるとも思える(338条4号)。もっとも、公訴棄却判決…
解答例 1 KがAに捜査を依頼して、甲に覚せい剤の売買を働きかけた点について (1) Aの上記行為は、いわゆるおとり捜査として許されないのではないか。 ア おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を…
平成23年度予備試験 刑事訴訴訟法 参考答案例