法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… 

解答例

ロースクール入試・予備試験・司法試験・演習書等の解答例/参考答案例をUPしていきます。

慶應ロー 入試過去問 平成29年度(平成28年9月/平成29年4月入学) 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 (以下、刑事訴訟法は法名略。)[1] 1 現行犯逮捕(憲法33条、刑訴法213条・212条1項2項)は令状なくして逮捕できる。通常逮捕における令状主義の趣旨は、あらかじめ令状裁判官に逮捕の理由・必要性を審査させることにより、被疑者の人権を保…

慶應ロー 入試過去問 平成28年度(平成27年9月/平成28年4月入学) 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 捜査① 1 本件捜査は「強制の処分」(強制処分)(197条1項但し書)にあたるか。もし強制処分にあたるのならば、強制処分法定主義若しくは令状主義(憲法33条、35条)に反する。そこで、強制処分の意義が問題となる。 (1) 現代の捜査技術の発達にかんが…

慶應ロー 入試過去問 平成27年度(平成26年9月/平成27年4月入学) 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 下線部①の令状は、以下に見るように概括的記載が用いられており、令状の明示を要請した憲法35条、刑事訴訟法219条1項に反し許されないのではないか。 2 そもそも令状の特定が要求される趣旨は、あらかじめ捜査機関の恣意的権限行使…

慶應ロー 入試過去問 平成26年度(平成25年9月/平成26年4月入学) 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 下線部①の適法性 1 まず、乙は同日午後6時時頃に起きたひったくり事件の犯人と身体的特徴が類似しており、「何らかの犯罪を犯し」ていると「疑うに足りる相当な理由」があるといえ、下線部①の声をかける行為は、警察官職務執行法(以下「警職法」…

慶應ロー 入試過去問 平成30年度(平成29年9月/平成30年4月入学) 刑法 解答例

解答例 第1 設問1 1 ZがAの上着の内ポケットから名刺入れをすり取り、自分のかばんに入れた行為に、窃盗罪(235条)が成立しないか。 (1) 名刺入れはAたる「他人の財物』にあたる。 (2) 本件行為が「窃取」あたるか。 ア 「窃取」とは、占有者の意思に反…

慶應ロー 入試過去問 平成29年度(平成28年9月/平成29年4月入学) 刑法 解答例

解答例 1 甲がAをワインボトルで殴って死亡させた行為に、傷害致死罪(205条)が成立しないか。 (1) 甲はAという「人」の後頭部という致命傷になり得る部位を、ワインボトルという重くて硬い凶器で振り下ろして殴っているところ、重力及び遠心力も加わりかな…

慶應ロー 入試過去問 平成28年度(平成27年9月/平成28年4月入学) 刑法 解答例

解答例 第1 丙の罪責 1 丙がVに対し、殺意を持ってA宅に放置し殺した行為に殺人罪(199条)が成立するか。 (1) 丙の上記行為に殺人罪の実行行為性が認められるか。丙の上記行為は行為者に期待された行為をしないいわゆる不作為であるところ、不作為に実行行…

慶應ロー 入試過去問 平成27年度(平成26年9月/平成27年4月入学) 刑法 解答例

解答例 第1 Yの罪責 1 YがXと共謀の上、Aに暴行を加え、バッグからAの財布を持ち出した行為に、強盗罪の共同正犯(60条、236条)が成立するか。 (1) 共同正犯の客観的構成要件を充足するか。 ア 60条の一部実行全部責任の処罰根拠は、各犯罪者が共同してそ…

慶應ロー 入試過去問 平成26年度(平成25年9月/平成26年4月入学) 刑法 解答例

解答例 1 甲が売店から新聞を手に取りそのまま売店から遠ざかった行為に窃盗罪(235条)が成立する。 (1) 新聞は売店たる「他人の財物」にあたる。 (2) 「窃取」とは、占有者の意思に反して、他人の財物を自己または第三者の占有に移転する行為をいうところ…

慶應ロー 入試過去問 平成30年度(平成29年9月/平成30年4月入学) 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 第1に、後訴に前訴既判力が作用し、裁判所は拘束されないか。 (1) 既判力とは、確定された判決の主文に表された判断の通有性[1]をいう。その趣旨は紛争解決の一回的解決という制度的要請にあり、正当化根拠は手続保障充足に基づく自己…

慶應ロー 入試過去問 平成29年度(平成28年9月/平成29年4月入学) 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 裁判所が、Xの申し立てよりも低い150万円の立退料と引き換えに当該建物明け渡しの認容判決をしたことが、処分権主義(246条)に反し、許されないのではないか。 2 処分権主義とは、訴訟の開始、審判対象の特定、訴訟の終了について当事…

慶應ロー 入試過去問 平成28年度(平成27年9月/平成28年4月入学) 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 本件では、入院治療費について、裁判所は、Xが申し立てた100万円を超えて、150万円と認定しているところ、処分権主義(246条)に反するのではないか。 (1) そもそも、不法行為における訴訟物の範囲はどこまでか。入院治療費と慰謝料…

慶應ロー 入試過去問 平成27年度(平成26年9月/平成27年4月入学) 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 裁判所は、Aによる不当な妨害があったかどうかについて、真偽不明の状態にある。このような場合に、裁判所は不当な妨害があったと認定すべきか。証明責任の分配基準が問題となる。 2 証明責任とは、裁判所が、ある要件事実について真…

慶應ロー 入試過去問 平成26年度(平成25年9月/平成26年4月入学) 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 「Aが甲土地の所有者であったことは認める」との部分 (1) かかる主張が、「裁判所において自白した事実」(179条)にあたり、不要証効が認められるか。 ア 不要証効の認められる「自白」とは、当事者に争いのない「事実」をいう。そし…

慶應ロー 入試過去問 平成30年度(平成29年9月/平成30年4月入学) 商法 解答例

解答例 第1 問1 (以下、会社法は法名略。) 1 Yは、423条に基づき、甲社に対して損害賠償責任を負わないか。 2 Yは「株式会社」である甲社の「取締役」である。 3 Yは「任務を怠った」(任務懈怠)といえるか。 (1) 取締役は、会社に対して、委任契約に基…

慶應ロー 入試過去問 平成29年度(平成28年9月/平成29年4月入学) 商法 解答例

解答例 第1 設問1 1 株式譲渡の譲渡は本来自由であり、当事者間で有効とするだけであれば、第三者の利益を害することもないため、当事者間では有効と考える。 2 それでは、本件株式譲渡は、会社との関係でも有効か。 (1) 取締役会設置会社における譲渡…

慶應ロー 入試過去問 平成28年度(平成27年9月/平成28年4月入学) 商法 解答例

解答例 第1 設問1 1 本件貸付けの効力 本件貸付は直接取引(会社法(以下法名略)356条1項2号)にあたるにもかかわらず、Yが取締役会の決議を経なかったことを理由に、本件貸付けが無効とならないか。 (1) 本件貸付けが直接取引にあたるか。 ア 直接取引…

慶應ロー 入試過去問 平成27年度(平成26年9月/平成27年4月入学) 商法 解答例

解答例 第1 設問1 1 事前の措置について (1) 株主であるXは、303条1項に基づき、Y社に対して「取締役の選任」について株主総会の目的とし、かつ、自己を取締役候補者に挙げることを請求することが考えられる。 (2) XはY社株式を80万株有しており、Y社発…

慶應ロー 入試過去問 平成26年度(平成25年9月/平成26年4月入学) 商法 解答例

解答例 第1 設問1 1 平成25年7月1日に開催された甲社取締役会(以下「本件役会」という。)は、Aが取締役Cに対して招集通知を発していないところ、かかる点が368条1項に反し違法であるとして、本件役会が無効とならないか。 (1) 株主総会を開催するには…

慶應ロー 入試過去問 平成30年度(平成29年9月/平成30年4月入学) 民法 解答例

解答例 第1 表見代理(110条)の適用 1 Yは本件貸付に表見代理が成立し、有効であることを根拠に、満期保険金300万円の返還債務と200万円の返還債務との相殺(505条1項)が認められると主張する。 2 まず、本件貸付では、A自らXの印鑑を利用してXの委任状を作…

慶應ロー 入試過去問 平成29年度(平成28年9月/平成29年4月入学) 民法 解答例

解答例 第1 設問1 1 XはY及びZに対して抵当権(369条1項)に基づいて物上代位(372条・304条1項)を行使して、2016年9月分の賃料支払請求をすることが考えられる。 (1) Xは2016年7月15日にAに対し2億円の融資をしており、かかる債権を被保全債権として同日に…

慶應ロー 入試過去問 平成28年度(平成27年9月/平成28年4月入学) 民法 解答例

解答例 1 EはCに対して所有権(206条)に基づく本件建物収去土地明渡請求[1]をすることが考えられる。 (1) Eは土地αの元所有者であるBから平成17年8月15日に売買契約を締結し、本件越境部分を含む土地βを譲受している。Cは土地αの一部である本件越境部分を本…

慶應ロー 入試過去問 平成27年度(平成26年9月/平成27年4月入学) 民法 解答例

解答例 第1 設問1 1 AはBに対して売買契約(555条)に基づく代金支払請求をすることが考えられる。 (1) まず、AはBと甲地の売買契約を締結している。 (2) もっとも、Bは、甲地が売買契約締結後に地震で海没しており、536条1項によって自己の売買代金債務…

平成30年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 第1 犯罪の成否 1 甲がCに対してうその話をして,定期預金の払戻しを申し入れた行為に、Vに対する業務上横領罪(253条)が成立しないか[1]。 (1) 「業務」とは、委託を受けて物を管理することを内容とする事務をいうところ、本件では、甲は会社設立後…

平成30年度 予備試験 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 下線部①の行為(以下「①行為」という。)の適法性 (1) まず、凶器を使用した強盗等犯罪が多発していたJ町において、甲はPと目が合うや、急に慌てた様子で走り出すという怪しい行動をとっているところ、強盗等犯罪の犯人ではないかとの嫌…

平成30年度 予備試験 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 Y及びZに対する請求相互の関係 両請求が必要的共同訴訟か通常共同訴訟かが問題となるが、両請求の訴訟物は別個であり、共同提訴の必要性もないので、必要的共同訴訟にはあたらない。そして、両請求は本件絵画売買契約に基づく代金支払請…

慶應ロー 入試過去問 平成26年度(平成25年9月/平成26年4月入学) 民法 解答例

解答例 第1 設問1 1 AはCに対して所有権(206条)に基づく返還請求として、本件クレーンの返還請求をすることが考えられる。 2 本件クレーンはAの所有である。本件クレーンは、現在Cが占有している。 3 これに対して、Cは即時取得(192条)によって本件クレ…

平成29年度 予備試験 刑法 解答例 【行為無価値ver.】

解答例 第1 甲の罪責 1 甲が、殺意をもって、宅配便をして、Vに毒入りワインを送った行為に殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 (1) 甲は宅配便を利用してワインを送り付け、被害者Vが勝手にワインを飲むようにしむけているに過ぎないが、甲に正犯性が…

平成28年度 予備試験 刑法 解答例

参考答案例 第1 甲宅に対する放火について 1 甲・乙が「共同」して、甲宅にX発火装置を置いた行為について、非現住建造物放火罪の未遂犯の共同正犯(60条、112、108条)が成立しないか。 (1) 甲宅は土地に定着し人の出入りに適した構造を有する建物であり「…

平成27年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 【(賄賂:間接正犯、横領:共同正犯構成)】 第1 丙の罪責 1 丙が、甲との間で公共工事をA社と契約し、そのお礼として50万円を受け取る旨の約束をした上、丁をして現金50万円を受け取った行為[1]に、受託収賄罪(197条1項後段)が成立しないか。 …