法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントはTwitterまで!

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題7 「男の恨みは夜の闇より深く」 解答例

解答例 第1 甲乙がAの顔面を強打した行為について 甲乙が「共同」して、Aの顔面を強打し、それによって側頭部を路面に強く打ちつけ、側頭部に加療4週間程度を要する頭部打撲傷を負わせ、生理的機能を障害し「傷害」させ行為は、傷害罪(204条)の「犯罪を実行…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題10 「偽装事故の悲劇」 解答例

解答例 第1 甲の罪責 1 甲が自家用車(以下「甲車両」という。)でAの自家用車(以下「A車両」という。)に衝突し、よってAを死亡させた行為に傷害致死罪(205条)が成立する。 (1) 甲は、不法な有形力行使たる上記行為によって、Aに頸椎捻挫という生理的機能の…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題41 「ノー・ウェイ・アウト(No Way Out)」 解答例

解答例 1 甲の第1暴行について、暴行罪(208条)が成立する。 2 甲の第2暴行に傷害罪(204条)が成立する。 (1) 甲の第2暴行はAの生理的機能を障害するに足りる行為である上、それによって、Aには加療約2週間を要する顔面挫創の「傷害」を負っている。 (2) …

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題35 「妄想と勘違い」 解答例

解答例 1 甲がBに対し時速20キロメートルのスピードで、Bの正面左側から車両全部を衝突させた行為に、殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 2 実行行為とは、法益侵害惹起の現実的危険性の認められる行為をいう。本件では、甲の上記行為は、時速20キロメ…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題31 「招かれざる客」 解答例

解答例 第1 甲の罪責 1 甲A共謀の上、AがBに睡眠薬を飲ませた点について、甲に昏睡強盗未遂罪の共同正犯(60条、243条、239条)が成立する。 (1) 甲は、Bに対し睡眠薬を飲ませるという実行行為を行っていないが、共同正犯の客観的構成要件を充足する。 ア 一…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題33 「ナンパ仲間の暴走」 解答例

解答例 1 甲が、衣類に火をつけ、Dマンション204号室の壁付近に投げつけ、同室の壁を焼損させた行為について、現住建造物放火罪(108条)は成立せず、何らの犯罪も成立しない。 2 Dマンション204号室は「現に人がいない」が、「現に人が住居に使用」している…

東大ロー入試 平成31年度 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1 (以下、刑法は法名略。) 1 Yの罪責 (1) Yが、A所有のバイクの前輪にあったチェーンロックを破壊し、X宅まで乗っていった行為に窃盗罪(235条)が成立する。 (2) 本件被害客体はA所有のバイクという「他人の財物」である。 (3) まず、Yの…

東大ロー入試 平成31年度 民事系 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 第1に、P社は、BがQ社の発行済株式全部をR社に譲渡した(以下「本件株式譲渡」という。)ことよって、実質的に賃借権の譲渡があったとして、612条2項に基づき、本件賃貸借契約を解除すると主張することが考えられる。 (1) 賃借人が法…

東大ロー入試 平成31年度 公法系 解答例

解答例 第1 問1[1] 1 まず、海外渡航の自由は22条2項によって保障されるか。 (1) 確かに、22条2項は、外国の「移住」の自由を認めているにすぎず、一時的な海外渡航の自由が認められないとも思える。しかし、永続的な移住が保障されるのであれば、一時的な…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題30 「暗転した同窓会」 解答例

解答例 第1 第1暴行について 1 甲乙が共同してBに対し暴行を行う中で甲が第1暴行によってBを死亡させた点について、甲乙には何らの犯罪も成立しない。 2 甲乙の上記行為について傷害致死罪の共同正犯(205条、60条)の客観的構成要件は充足する。 (1) 甲乙…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題28 「元風俗嬢の憤激」 解答例

解答例 第1 乙の罪責 1 乙は、Aに対し、基本的検査をして不適合輸血をしない注意義務があるにもかかわらずこれを怠り不適合輸血をした行為に業務上過失致死罪(211条)が成立する。 (1) 乙は医者としての職務として上記行為に及んでいるところ、職務又は社会…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題20 「クリスマスイブの事件」 解答例

解答例 1 甲が、Aに対し、睡眠薬を大量に混入させたビールを飲用させた行為に、殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 (1) 甲の上記行為は、殺人罪の「実行に着手」(43条本文)したといえる。 ア 実行行為とは、法益侵害惹起の現実的危険性を有する行為をい…

京大ロー入試 平成30年度 民法 解答例

解答例 第1 第1問 小問1[1] (以下、民法は法名略。) 1 Cは、Aに対し譲渡担保権に基づく返還請求としての甲土地引渡請求をすることが考えられる。かかる請求が認められるためには、①被担保債権が存在し、②有効な譲渡担保権設定契約が締結されていること③②…

京大ロー入試 平成30年度 刑事訴訟法 解答例

解答例 1 自白法則とは、被疑者・被告人が自己の犯罪事実ないし公訴事実の全部又は主要部分を認める供述について、その供述が任意にされたものでない疑いがあるときに証拠として用いることを禁止する証拠法則である(憲法38条2項、法319条1項)。その趣旨は、…

京大ロー入試 平成30年度 刑法 解答例

解答例 第1問 (以下、刑法は法名略。) 第1 甲の罪責 1 甲が、Aに対し、殺意を持ってAの左側胸部を包丁で強く突き刺して殺害した行為に殺人罪(199条)が成立する。 (1) 甲の上記行為は、Aの胸部という人体の枢要部を包丁という殺傷能力の高い凶器で強く突き…

一橋ロー入試 平成28年度 民法 解答例

解答例 第1 設問1小問1 1 DはBCに対して所有権(206条)に基づいて甲建物明渡請求をすることが考えられる。 2 本件BD売買は、AからBに代理権授与がないため、後述の日常家事にあたらない限り、無権代理(113条1項)となる。Aの追認(116条)もないため、本人…

一橋ロー入試 平成29年度 民法 解答例

解答例 第1 設問1 小問1 1 Aは、Bの本件解約は自己都合による解約であるため、本件契約で定めた600万円の違約金条項に基づいて、600万円の支払い請求をすることが考えられる。これに対してBは、本件解除は自己都合による解約ではなく、債務不履行解除(541…

一橋ロー入試 平成28年度 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 第1に、Aは、仮に確認の利益が認められたとしても本件Bの確認訴訟は、金額の上限を定めていないため、訴訟物特定責任を果たしておらず、訴え却下判決がなされるべきであるとの反論をすることが考えられる。 (1) 判例[1]は、一定額を…

一橋ロー入試 平成29年度 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 第1に、Yは更新拒絶の正当事由を認める旨主張しているが、自白が成立し、弁論主義第2テーゼ(審判排除効)によって、裁判所は正当事由の存在があることを判決の基礎としなければならないのではないか[1]。 (1) 弁論主義第2テーゼと…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題12 「赤いレンガの衝撃」 解答例

解答例 1 甲がAに対し、椅子を強く蹴りつけた行為に、暴行罪(208条)が成立する。 2 甲が、Aに対し、顔面を殴打し、よって死亡させた行為に傷害致死罪(205条)が成立する。 (1) 甲の上記行為は、Aの生理的機能を障害するに足りる行為であり、「傷害」にあ…

京大ロー入試 平成30年度 行政法 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 訴えの利益とは、本案判決を求める必要性をいう。 2 税務署長は、差押財産を公売に付するときは、公告をしなければならず(国税徴収法95条1項)、公売財産の名称、数量、性質及び所在(同項1号)、公売の方法(同項2号)、公売の日時及び…

京大ロー入試 平成30年度 憲法 解答例

解答例 第1 第1問[1] 1 監視カメラによるC本部入り口付近の撮影がなされた点について、Xのみだりにその容ぼう、姿態等を撮影されない自由を侵害し、憲法13条に反しないか。 (1) みだりにその容ぼう、姿態等を撮影されない自由は、個人の私生活上の自由の一…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題6 「カネ・カネ・キンコ」 解答例

解答例 第1 乙の罪責 1 乙が、Dに対し、エアーガンを突きつけ「カネ、カネ、キンコ」と3回繰り返し、よってD子の犯行を抑圧し、35万円の現金の交付をさせた行為に強盗罪(236条1項)が成立する。 (1) 乙の上記行為は、甲に命じられたものであるが、なお「…

『刑法事例演習教材[第2版]』 問題1 「ボンネットの上の酔っぱらい」 解答例

解答例 1 甲が、Aに対し、平成25年7月12日深夜、Aの顔面を手拳で軽く1回殴打した行為に暴行罪(208条)が成立する。 (1) 甲の上記行為はAに対する不当な有形力行使による「暴行」である。また、甲にはかかる事実について故意(38条1項)が認められる。 (2) …

京大ロー入試 平成30年度 民事訴訟法 解答例

京大ロー入試過去問平成30年度民事訴訟法解答例を公開! ・確認の利益(最判昭和30年12月26日) ・債務不存在確認訴訟の確認の利益 ・上限額を定めない債務不存在確認訴訟の適法性 ・口頭弁論

独立当事者参加の手筋(2)-要件論-

0.事例 4.要件論 ⅰ 詐害防止参加(47条前段参加) ⅱ 権利主張参加(47条後段参加) この記事は、「独立当事者参加の手筋(1)-制度趣旨と立法の過誤-」の続きである。 www.law-ss.site 0.事例 【事例1】(対物訴訟事例) XがYに対し甲土地の所有権の…

東大ロー入試 平成23年度 民事系 解答例

解答例 第1 設問1 (この設問では民法は法名略。) 1 AはBに対して、所有権に基づく乙建物収去甲土地明渡請求をすることが考えられる。 2 Aは甲土地を所有し、かつ、甲土地には乙建物が存在している。Bはある時点において、乙建物を所有していた。 3 これ…

東大ロー入試 平成24年度 民事系 解答例

解答例 第1 設問1(この設問については民法は法名略。)[1] 1 (ア)について (1) C及びDは、Bに対して、共有持分権(249条)に基づき、甲建物明渡請求をすることが考えられる。かかる請求は認められるか。 ア 甲建物はA元所有である。C及びDはAの相続人であり…

東大ロー入試 平成23年度 刑事系 解答例

東大ロー入試過去問平成23年度刑事系解答例を公開! ・住居侵入罪 ・強盗致傷罪における「負傷」 ・伝聞法則と実況見分調書

東大ロー入試 平成24年度 刑事系 解答例

東大ロー入試過去問平成24年度刑事系解答例を公開! ・事後強盗罪における窃盗の機会 ・基本権侵害と自白法則