法律解釈の手筋

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令和6年度 予備試験 刑事訴訟法 解答例

解答例

第1 設問1

1 本件では、事件①を甲が行ったという事実から、甲がかかる事件を起こすような犯罪性向を推認し、そこから類似事実である事件②について甲の犯人性を推認しようとするものであると考えられる。このような立証は、以下のとおり、許される。

2 顕著な特徴・相当程度類似の例外

(1) 被疑事実による立証は、犯人の犯罪性向を推認し、そこから同種事件の犯人性の推認を経るが、特に二段目の推認は不確かな弱い推認であり、誤った事実認定を導くおそれが高く、また争点を拡散させるおそれもある。そこで、原則として類似事実証拠は排除されると考える。もっとも、①類似事実が顕著な特徴を有し、②それが公訴事実と相当程度類似しているような場合には、上記推認過程を経ることがないため、例外的に許されると考える[1]

(2) 事件①及び事件②は、令和6年2月2日の午後10時から11時までという密接した時間帯に、H県I市内という同じ市内で、背後から自動車を衝突させるという点で類似している。同事件は、3キロメートル離れたところで1時間後に行なわれたという点で、同一人物が犯行を行なっていても矛盾しない時間・距離に行われている。また、

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