第1 問1
1 本件助成金の交付を受けるためには、本件内定取消が取り消される必要がある。
2 そこで、Xとしては、本件内定取消の取消しの訴えを提起することが考えられる。本件内定取消は、以下のとおり「処分」に該当し、Xのかかる訴えは認められる。
(1) 「処分」とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。①公権力性及び②法的効果性に加え、③実効的な権利救済の観点を加味して判断する。
(2) 本件では、文化芸術振興費補助金による助成金交付要綱(以下「本要綱」という。)第8条第3項第4号により本件内定を取り消している[1]。同号は、独立行政法人日本芸術文化振興会法(以下、「振興会法」という。)第4条の規定による助成金の交付内定を撤回するものであり、
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