法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントや質問はTwitterまで!

民法

改正民法まとめ ー定型約款規制ー

※メモランダム 0 条文 第548条の2 1. 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型…

債務不履行解除の手筋-最判昭和36年判決&平成8年判決-

第1 付随的債務の債務不履行解除 1.最高裁昭和36年11月21日第三小法廷判決 【事案(簡易版)】 YはAに対し甲土地を売却した。その後、AはXに対し同土地を売却した。YはAのために租税金を納付したため、それの償還請求をAに対してしたが、Aがこれに応じなかっ…

定期預金における民法478条の手筋-最判昭和41年判決&59年判決-

第1 定期預金の払戻しと478条適用 1.預金契約とは (1)預金契約の法的性質 預金契約とは、預金者と金融機関との間でなされる契約であり、その法的性質は消費寄託契約(666条)であることに判例学説でほぼ争いなし。 なお、金融機関は預金に関する入出金事務…

債権譲渡と相殺の手筋-最高裁昭和昭和50年12月8日第一小法廷判決-

1.最判昭和50年12月8日 【事案】 訴外会社AはYに対し、弁済期昭和42年12月3日、金額261万4000円の売掛債権(以下「本件売掛債権」という。)を有し、Yは、右売掛債務支払のために、同年7月3日金額を右同額、満期を同年12月3日とする約束手形(以下「本件約…

差押えと相殺の手筋-最高裁昭和45年6月24日大法廷判決-

1.最大判昭和45年6月24日 【事案(簡易版)】 XはAの国税債務滞納処分として昭和33年9月4日、A会社がY銀行に対して有していた預金債権を差押えた。これに対して、Y銀行は、9月4日時点でA会社に対して貸付債権を有しており、Y銀行とA会社の継続的取引約定書に…

抵当権の物上代位と第三者の競合の手筋

1.304条1項但し書(「払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」)の趣旨 (1)判例-最高裁平成10年1月30日第2小法廷判決- 「右債権の債務者(以下「第三債務者」という。)は、右債権の債権者である抵当不動産の所有者(以下「抵当権設定者」とい…

抵当権の物上代位(民法372条・304条本文)の目的物の手筋

1.賃料債権に対する物上代位の可否-最高裁平成元年1月30日第二小法廷判決- 【結論】 肯定。 【理由】 (1)372条の準用する304条1項本文には「賃料」と規定されている。 (2)賃料債権に対する物上代位を認めても、抵当権設定者の使用収益権を自体を妨げることに…

民法193条・194条の手筋-最判平成12年6月27日-

1.最高裁判決平成12年6月27日 (1)事案(簡易版) XはAに本件機械を窃取された。Aは本件機械をYに対して300万円で売却した(なお、Yは本件機械がA所有でないことにつき善意無過失だった。)。Xは本件機械窃取後2年以内の某日、Yに対し①所有権に基づく本件機械…

契約締結上の過失 -最判平成23年4月22日-

1.最高裁第2小法廷判決平成23年4月22日 ・事案(簡易版) 被告Y(信用協同組合)は、債務超過の状態にあり、それを認識していたにもかかわらず、そのことを説明しないまま原告Xに対し出資の勧誘を行った。Xはこれに応じてYに対し500万円の出資を行った。その後…