2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
解答例 1 甲は、見通しの悪い交差点において、徐行し、進路の安全を確認しつつ進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り自動車を進行させているが、Aの死について過失運転致死罪(自動車運転死傷行為処罰法5条)は成立しない。 2 「自動車の運…
解答例 第1 乙の罪責 1 乙が、Cに対し虚偽の事実を告げてBの引き渡しを求め、Bを甲宅に連れて行った行為に、未成年者誘拐罪(224条)が成立する。 (1) Bは「未成年」である。 (2) 「誘拐」とは、①欺罔又は誘惑を手段として②人をその生活環境から離脱させ、③…
解答例 第1 甲乙がAの顔面を強打した行為について 甲乙が「共同」して、Aの顔面を強打し、それによって側頭部を路面に強く打ちつけ、側頭部に加療4週間程度を要する頭部打撲傷を負わせ、生理的機能を障害し「傷害」させ行為は、傷害罪(204条)の「犯罪を実行…
解答例 第1 甲の罪責 1 甲が自家用車(以下「甲車両」という。)でAの自家用車(以下「A車両」という。)に衝突し、よってAを死亡させた行為に傷害致死罪(205条)が成立する。 (1) 甲は、不法な有形力行使たる上記行為によって、Aに頸椎捻挫という生理的機能の…
解答例 1 甲の第1暴行について、暴行罪(208条)が成立する。 2 甲の第2暴行に傷害罪(204条)が成立する。 (1) 甲の第2暴行はAの生理的機能を障害するに足りる行為である上、それによって、Aには加療約2週間を要する顔面挫創の「傷害」を負っている。 (2) …
解答例 1 甲がBに対し時速20キロメートルのスピードで、Bの正面左側から車両全部を衝突させた行為に、殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 2 実行行為とは、法益侵害惹起の現実的危険性の認められる行為をいう。本件では、甲の上記行為は、時速20キロメ…
解答例 第1 甲の罪責 1 甲A共謀の上、AがBに睡眠薬を飲ませた点について、甲に昏睡強盗未遂罪の共同正犯(60条、243条、239条)が成立する。 (1) 甲は、Bに対し睡眠薬を飲ませるという実行行為を行っていないが、共同正犯の客観的構成要件を充足する。 ア 一…
解答例 1 甲が、衣類に火をつけ、Dマンション204号室の壁付近に投げつけ、同室の壁を焼損させた行為について、現住建造物放火罪(108条)は成立せず、何らの犯罪も成立しない。 2 Dマンション204号室は「現に人がいない」が、「現に人が住居に使用」している…
解答例 第1 設問1 (以下、刑法は法名略。) 1 Yの罪責 (1) Yが、A所有のバイクの前輪にあったチェーンロックを破壊し、X宅まで乗っていった行為に窃盗罪(235条)が成立する。 (2) 本件被害客体はA所有のバイクという「他人の財物」である。 (3) まず、Y…
解答例 第1 設問1[1] 1 第1に、P社は、BがQ社の発行済株式全部をR社に譲渡した(以下「本件株式譲渡」という。)ことよって、実質的に賃借権の譲渡があったとして、612条2項に基づき、本件賃貸借契約を解除すると主張することが考えられる。 (1) 賃借人が…
解答例 第1 問1[1] 1 まず、海外渡航の自由は22条2項によって保障されるか。 (1) 確かに、22条2項は、外国の「移住」の自由を認めているにすぎず、一時的な海外渡航の自由が認められないとも思える。しかし、永続的な移住が保障されるのであれば、一時的な…
解答例 第1 第1暴行について 1 甲乙が共同してBに対し暴行を行う中で甲が第1暴行によってBを死亡させた点について、甲乙には何らの犯罪も成立しない。 2 甲乙の上記行為について傷害致死罪の共同正犯(205条、60条)の客観的構成要件は充足する。 (1) 甲乙…
解答例 第1 乙の罪責 1 乙は、Aに対し、基本的検査をして不適合輸血をしない注意義務があるにもかかわらずこれを怠り不適合輸血をした行為に業務上過失致死罪(211条)が成立する。 (1) 乙は医者としての職務として上記行為に及んでいるところ、職務又は社会…
解答例 1 甲が、Aに対し、睡眠薬を大量に混入させたビールを飲用させた行為に、殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 (1) 甲の上記行為は、殺人罪の「実行に着手」(43条本文)したといえる。 ア 実行行為とは、法益侵害惹起の現実的危険性を有する行為をい…