一橋ロー入試過去問 解答例
解答例 第1 設問1 1 Yの罪責 Yが、Bに対しモデルガンを構えながら「金を出せ。」と申し向け、A店の現金五千円札20枚を差し出させた行為に、A店に対する強盗罪(236条1項)が成立する。 (1) Yの上記一連の行為は、モデルガンを使用したにすぎず、かつXに命じ…
解答例 第1 第1問 1 Xの罪責 (1) Xが、Vの右腿を包丁で突き刺し、その後殺意をもってVの左胸部を包丁で突き刺し、Vを死亡させた一連の行為に殺人罪(199条)が成立し、過剰防衛(36条2項)として任意的減免となる。 (2) Xの上記行為は、Vの右腿や左胸部という…
解答例 第1 小問1[1] 1 原告の主張 (1) 国籍法12条は、出生地の内外によって国籍留保の有無について別異取扱いをしており、かかる別異取扱いは憲法14条1項に反するため違憲である、と主張する。 (2) まず、国籍法12条は、出生により外国の国籍を取得した…
解答例 第1 小問1[1] 1 Cとしては、本件入館拒否は、Xの情報摂取の自由を侵害し、21条1項に反して違法であると主張することが考えられる。 (1) まず、情報摂取の自由は、表現の自由を保障した自己実現・自己統治の価値という趣旨・目的から、いわばその…
解答例 第1 小問1[1] 1 Xは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下「法」という。)19条1項が職業選択の自由を侵害し、22条1項に反し違憲無効であるため、Xの「あん摩マッサージ指圧師」の免許取得が可能なコース新設の申請に対…
解答例 第1 小問1[1] 1 原告は、本件不許可処分は、Xらの集会の事由を侵害し、憲法21条1項に反するため、違憲であると主張する。 2 憲法21条1項は、集会の自由を保障する。集会の自由とは、多数人が政治・経済・学問・芸術・宗教などの問題に関する共通の…
解答例 第1 設問1 1 本件では、身体検査令状(218条1項)によって、本件ATMにAを連行した上で、Aを本件ATMの前に佇立させてビデオカメラで撮影すること(以下「本件撮影」という。)ができると考える。 (1) 検証とは、特定の場所や物や人の身体の性質・…
解答例 第1 小問1[1] 1 本判決が、第1審判決を「当事者の訴訟活動を基礎として形成」されていると評価しているのは、刑事訴訟法が当事者追行主義を採用していると評価したためであると考える。当事者追行主義とは、当事者が手続遂行の主導権を持つ方式をい…
解答例 第1 小問1 1 「事案の軽重、立証の難易等諸般の事情を考慮」して、検察官が公訴を提起することができるのは、刑訴法上、起訴便宜主義(248条)が採られているからである。 2 起訴便宜主義とは、犯罪の嫌疑があり、かつ訴訟条件が具備していても、犯罪…
解答例 第1 第1問 小問1 (以下、刑法は法名略。) 1 Xが毒物入りの清酒をBの旧知の者の名義で宅配業者に差し出し、B方に向けて発送した行為に、殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。 (1) Xの上記行為は宅配業者に差し出したにすぎないものの、なお殺人罪…
解答例 第1 第1問 1 BはDに対し、所有権に基づく返還請求としての甲土地返還請求をすることが考えられる。 2 X年9月1日、甲土地はBが所有していた。また、現在、Dは甲土地にファミリーレストラン経営のための駐車場設備を完成させ、乙建物を建設しているの…
解答例 第1 設問1 1 裁判所はefを結ぶ線が境界である可能性が高いと判断しているところ、efを結ぶ線が境界であると定めて判決をすることができるか。処分権主義に反し、許されないのではないか。 (1) 処分権主義とは、訴訟の開始、審判の対象・範囲、訴訟…
解答例 第1 設問1 1 Xに当事者適格が認められるか。 (1) 当事者適格とは、特定の訴訟物について当事者として訴訟を追行し、本案判決を求めることができる資格[1]をいう。当事者適格が認められるかどうかは、誰が当事者として訴訟を追行し、また、誰に対し…
解答例 第1 設問1小問1 1 DはBCに対して所有権(206条)に基づいて甲建物明渡請求をすることが考えられる。 2 本件BD売買は、AからBに代理権授与がないため、後述の日常家事にあたらない限り、無権代理(113条1項)となる。Aの追認(116条)もないため、本人…
解答例 第1 設問1 小問1 1 Aは、Bの本件解約は自己都合による解約であるため、本件契約で定めた600万円の違約金条項に基づいて、600万円の支払い請求をすることが考えられる。これに対してBは、本件解除は自己都合による解約ではなく、債務不履行解除(541…
解答例 第1 設問1 1 第1に、Aは、仮に確認の利益が認められたとしても本件Bの確認訴訟は、金額の上限を定めていないため、訴訟物特定責任を果たしておらず、訴え却下判決がなされるべきであるとの反論をすることが考えられる。 (1) 判例[1]は、一定額を…
解答例 第1 設問1 1 第1に、Yは更新拒絶の正当事由を認める旨主張しているが、自白が成立し、弁論主義第2テーゼ(審判排除効)によって、裁判所は正当事由の存在があることを判決の基礎としなければならないのではないか[1]。 (1) 弁論主義第2テーゼと…