法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントや質問はTwitterまで!

予備試験

令和7年度 予備試験 倒産法 解答例

解答例 第1 設問1(設問1及び設問2においては、破産法は、法名略。) 1 小問1 (1) 別除権者は、破産手続によらないで、その権利を行使することができる(65条1項)。ただし、担保権者がその権利を「第三者」(民法177条1項)に対して主張するための実体法上…

令和7年度 予備試験 商法 解答例

解答例 第1 設問1(1)(以下、会社法は法名略。)[1] 1 第1に、取締役会の決議事項として予定されていなかった本件解職を取締役会で決議したとしても、368条1項に反せず、有効である。 (1) 取締役会招集手続を定める368条1項は、株主総会招集手続と異なり…

令和7年 予備試験 民事訴訟法 解答例

第1 設問1 1 Xとしては、以下のとおり、本件予測表は、同条4号二の自己利用文書に該当しない、と主張する。 2 ①文書の作成目的、記載内容等の事情から判断して専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されていない文書…

平成30年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 法律上の争訟 1 処分2の取消しの訴えには、以下のとおり、「法律上の争訟」(裁判所法3条1項)が認められ、訴えは適法である。 2 法律上の争訟とは、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法…

平成24年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 設問1 1 第1に、国民審査法(以下「法」という。)15条1項は、罷免を可とする裁判官に×の記号を記載することしか定めておらず、最高裁判所裁判官として適格性を有する者に○の記号をつけることができない点で、憲法79条2項に反し、違憲無効であ…

令和3年度 予備試験 憲法 解答例

第1 屋外広告物規制(以下、「本規制①」という。)の憲法適合性 1 本規制①は、以下のとおり、憲法21条1項に反し、違憲である。 2 まず、屋外に広告物を掲示する自由は、表現の自由として憲法21条1項により保障される。 3 次に、かかる自由は、本規制①によ…

令和5年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 Xの立場からの憲法上の主張 1 インタビューに応じた者の名前は「職業の秘密」(民事訴訟法197条1項1号)に該当し、証言を拒絶することができる。 (1) 「職業の秘密」該当性 ア 「職業の秘密」とは,その公開によってその職業が深刻な影響を受け…

令和4年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 地方鉄道維持特措法案(以下、「本法案」という。)における争議行為の禁止規定(以下、「本規定①」という。)の憲法適合性 1 本規定①は、以下のとおり、争議権を侵害するため、憲法28条に反し違憲である。 2 争議行為は、「団体行動をする権利」(…

平成29年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 甲の主張と想定される反論の対立点 1 29条1項・2項違反の点 (1) 既得権制約 ア 本件条例は、Xを無制限に生産し、利益をあげることができるという点で、既得権制約が認められる。 イ 無制限に生産し利益を上げるという将来における期待にすぎず…

平成28年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 Xの主張と想定される反論の対立点 (以下、憲法は法名略。) 1 消極的表現の自由の点について (1) 制約(アがXの主張、イがそれに対する反論。以下同じ。) ア 本件誓約書を提出しなければならないという要件(以下「本件要件」という。)は、助成…

平成27年 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、憲法は法名略。)[1] 1 結論 98条、76条3項及び99条から違憲審査権は十分に抽出され得る、との見解(以下「本見解」という。)は、妥当でない。 2 理由 (1) 判例は、本見解を判示しているが(最大判昭和23年7月7日[2]参照)、同判示…

平成26年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 設問1[1](以下、憲法は法名略。) 1 A市商店街活性化条例(以下「本条例」という。)の商店会への加入義務及び会費徴収義務の規定(以下併せて「本規定」という。)は、職業選択の自由を侵害するため、22条1項に反し、違憲であり、本条例に基づく7…

平成25年度 予備試験 憲法 解答例 

解答例 第1 主張と反論の対立点(以下、憲法は法名略。)[1] 1 乙案について(アがDの主張、イが反論。) (1) 審査基準 ア 特定の都道府県からの立候補の制限は、被選挙権(15条1項)を直接制約するため、厳格に審査されるべきである。 イ そもそも選挙のルール…

平成23年度 予備試験 憲法 解答例

解答例 第1 設問1 1 訴訟の提起 Aの入学不許可処分(以下「本件処分」という。)の取消訴訟(行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条2項)及び入学許可処分の義務付け訴訟(同条6項1号)を提起する。 2 憲法上の主張 (1) 取消事由及び義務付け事由として…

令和6年度 予備試験 商法 解答例

解答例 第1 設問1小問1 1 甲社による本件株式の買取りは、以下のとおり、財源分配規制に反するものの有効である。 2 本件株式の買取りが行なわれた令和6年3月31日において、分配可能額は800万円であったにもかかわらず、甲社はDから総額1000万円分の株…

令和6年度 予備試験 民法 解答例

解答例 第1 設問1(1) 1 Cの請求は、以下のとおり認められない。 2 Cには、乙土地の所有権が認められる。 (1) Aは、失踪宣告により、令和3年4月1日に死亡したものとみなされる(31条、30条2項)。 (2) 「相続させる」旨の遺言は、特定財産承継遺言(101…

令和6年度 予備試験 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1 1 本件では、事件①を甲が行ったという事実から、甲がかかる事件を起こすような犯罪性向を推認し、そこから類似事実である事件②について甲の犯人性を推認しようとするものであると考えられる。このような立証は、以下のとおり、許される…

令和6年度 予備試験 刑法 解答例

解答例 第1 甲の罪責(以下、刑法は法名略。)[1] 1 甲が、某年7月1日午後6時40分頃、第1現場において、自己のものにしようと本件ケースを拾い上げて自己のズボンのポケットに入れた行為に、窃盗罪が成立する。 (1) 本件ケースは、Aたる「他人」の所有する…

令和6年度 予備試験 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、民事訴訟法は、法名略。) 1 裁判所は、以下のとおり、相殺の抗弁を時機に後れた攻撃防御方法として却下すべきである(157条1項)。 2 本件は、相殺の抗弁であるが、他の主張と同様に、時機に後れたといえる。 (1) 同項の趣旨は、…

令和6年度 予備試験 倒産法 解答例

解答例 第1 設問1 1 令和5年8月21日から9月20日までにかかる未払給料債権について (1) 未払給料債権の法的性質 破産手続開始前3か月間の破産者の使用人の給料の請求権は財団債権となる(破149条1項、2条7項)。 本件では、令和5年11月21日にAの破産手続開始…

平成28年度 予備試験 刑事実務基礎 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 殺意とは、死の結果発生に対する認識・認容(刑法38条1項)をいう。本問では、証拠⑭のAの供述に基づくと、Aには被害客体Vについての認識がないため、死の結果発生に対する認識がないとして、殺意が否定されることとなる。 2 そこで…

令和4年度 予備試験 刑事実務基礎 解答例

解答例 第1 設問1 1 小問1[1] Bは、令和3年3月1日の夜、Aから電話で本件犯行をもちかけられたこと、同月9日午後0時過ぎ頃、Aと共にV方付近へ向かい、Aからサバイバルナイフを借りて本件犯行を実行したこと、AにVから奪ったキャッシュカードを渡した等こ…

令和5年度 予備試験 刑事実務基礎 解答例

解答例 第1 設問1 1 小問1 Aの犯人性の認定にあたり、被害品がVのものであるという認定が必要となる。Vの被害品は、水色のリュックサック並びに現金22万9500円及びNKドラッグストアの会員カードが在中していた財布であり、当該財布は茶色の革製で二…

令和5年度 予備試験 倒産法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、民事再生法については、法名略。) 1 小問1 (1) A社は、未払売買代金を約定どおりに支払うことができない。 (2) 仕入先20社のA社に対する売買代金債権は、「再生債権」(84条1項)となる。 ア 「再生債権」とは、①再生債務者に対…

令和5年度 予備試験 民事実務基礎 解答例

解答例 第Ⅰ 設問1 1 小問1 保証契約に基づく保証債務履行請求権[1] 1個 2 小問2 被告は、原告に対し、金220万円を支払え。 3 小問3[2] (1) 原告は、被告に対し、令和4年8月17日、本件車両を代金240万円で売った。 (2) 被告は、原告との間で、同…

令和5年度 予備試験 商法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、会社法については、法名略。) 1 第1に、乙社は、議案の要領の通知請求(305条1項)が無視されたことは、305条1項に反し、「招集の手続」が「法令」に「違反」すると主張することが考えられる。かかる主張は、以下のとおり認められる…

令和5年度 予備試験 民法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、民法については、法名略。) 1 Bは、Aに対して、請負契約に基づく報酬代金支払請求をすることが考えられ、かかる請求は以下のとおり認められる。 (1) 令和5年7月1日、本件請負契約を締結した。これに対して、Aは「本件請負契約…

令和5年度 予備試験 民事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 Yの主張の根拠は、訴えの交換的変更によって、XのYに対する甲土地明渡請求の訴えを取り下げたのであるから、再訴禁止効(262条2項)により訴え却下される、というものであると考えられる。かかる主張の当否について、訴えの交換的変…

令和5年度 予備試験 行政法 解答例

解答例 第1 設問1 1 小問1 (1) Cは、「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)9条1項)にあたらず、原告適格を有しない。 (2) 「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を…

令和5年度 予備試験 刑事訴訟法 解答例

解答例 第1 設問1(以下、刑事訴訟法については、法名略。) 1 裁判官は、甲を本件住居侵入・強盗致傷の事実及び本件暴行の事実で勾留するいわゆる抱き合わせ勾留は、逮捕前置主義に反するものの、例外的に認められる。 2 被疑者勾留には、必ず逮捕が先行…