法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントや質問はTwitterまで!

東大ロー入試過去問 解答例

令和6年度(2024年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例 

解答例 第1 1について[1] 1 Xが、警察官になりすましてキャッシュカードを窃取しようと考え、A宅に電話をかけ、Aに対し、Aのキャッシュカードを封筒に入れて保管する必要がある旨うそを言い、Aをして、前記キャッシュカードを封筒に入れさせ、さらに、金…

令和6年度(2024年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1(設問1において、民法は、法名略。) 1 Cは、Bに対して、AB間の継続的売買契約に基づく売買代金支払請求をしていると考えられる。 2 Aは、Bに対して、継続的に原材料を販売していた。Cは、Aから、CのAに対する貸金債権を被担保債権…

令和6年度(2024年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例 第1 問1 1 本件処分は、たばこ事業法(以下、「法」という。)22条という「法令」に基づき、たばこ小売販売業という「許可」を求める行為に対する処分であり、「申請」(行政手続法(以下、「行手法」という。)2条3号)に対して拒否する処分にあたる…

令和5年度(2023年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 大問1(大問1において、民法は法名略。) 1 Aは、甲不動産の管理処分を包括的に委託する代理権をBに授与した。Bは、Cとの間で、1000万円をAの代理人としてA名義で借り入れ、これによってCがAに対して有する1000万円の乙債権を被担保債権とし…

令和5年度(2023年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1(設問1について、刑事訴訟法は法名略。) 1 小問1 (1) 勾留に先立つ逮捕が違法であるとして、勾留が違法となったものと考えられる。 (2) 刑事訴訟法は、正当事由なく法定の時間制限を超えてなされた勾留請求を却下しなければならない…

令和5年度(2023年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

第1 問1 1 本件助成金の交付を受けるためには、本件内定取消が取り消される必要がある。 2 そこで、Xとしては、本件内定取消の取消しの訴えを提起することが考えられる。本件内定取消は、以下のとおり「処分」に該当し、Xのかかる訴えは認められる。 (1…

令和4年度(2022年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1(以下、設問1について、刑法は法名略。) 1 XYZが、共謀の上、Aに対して虚偽の事実を告げ、よって100万円を交付させた行為について、詐欺罪の共同正犯(246条1項)が成立する。 (1) XYZには、共同正犯の客観的構成要件充足性が認められる。…

令和3年度(2021年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例 第1 設問1 1 「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があ」るときとは、義務付け訴訟により求められた処分がなされないことによる損害が、原状回復不能ないしは金銭賠償による補填が不能であるか、社会通念上相当に困難であり、損害発生…

令和3年度(2021年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1(設問1では、刑法は法名略。) 1 Xが、Aに対し、同人の顔面を手拳で殴打し、よって同人を死亡させた行為に傷害致死罪が成立する。 2 Xが、A宅において、Aの写真にライターで火をつけたものの火が枕やベッドに燃え移らなかった行為につい…

令和3年度(2021年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1(設問1(ア)では、民法は法名略。) 1 (ア)について (1) C社は、Fに対して、法定地上権による占有権原の抗弁を主張することが考えられる。かかる反論は認められるか。 (2) 法定地上権が認められるためには、①抵当権設定時に土地の上に建…

令和2年度(2020年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例 第1 設問1(以下、行政事件訴訟法は「行訴法」という。) 1 Aは、関税法(以下、「法」という。)93条の規定がなかったとしても、通知について処分取消しの訴え(行訴法3条2項)により、①の入手を実現することができる。 2 上記訴えによる場合、上記通…

令和2年度(2020年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1(本設問では、刑法は法名略) 1 Yの罪責 (1) Yが、Aを自働車(以下、Aを入れていた自動車を「本件車両」という。)後部のトランク内に入れ、よって、Aを死亡させた行為に、監禁致死罪(221条)が成立する。 ア 「監禁」とは、一定の場所からの…

令和2年度(2020年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 共同相続された株式が相続人にどのように帰属するか。 2 株式は、自益権と議決権等の共益権からなっており、共同相続人に当然に分割される単なる金銭債権とは異なる。また、当然に共同相続人に分割されるとすれば、共同相続人間の…

平成31年度(2019年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

解答例 第1 設問1 (以下、刑法は法名略。) 1 Yの罪責 (1) Yが、A所有のバイクの前輪にあったチェーンロックを破壊し、X宅まで乗っていった行為に窃盗罪(235条)が成立する。 (2) 本件被害客体はA所有のバイクという「他人の財物」である。 (3) まず、Y…

平成31年度(2019年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1[1] 1 第1に、P社は、BがQ社の発行済株式全部をR社に譲渡した(以下「本件株式譲渡」という。)ことよって、実質的に賃借権の譲渡があったとして、612条2項に基づき、本件賃貸借契約を解除すると主張することが考えられる。 (1) 賃借人が…

平成31年度(2019年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例 第1 問1[1] 1 まず、海外渡航の自由は22条2項によって保障されるか。 (1) 確かに、22条2項は、外国の「移住」の自由を認めているにすぎず、一時的な海外渡航の自由が認められないとも思える。しかし、永続的な移住が保障されるのであれば、一時的な…

平成23年度(2011年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1 (この設問では民法は法名略。) 1 AはBに対して、所有権に基づく乙建物収去甲土地明渡請求をすることが考えられる。 2 Aは甲土地を所有し、かつ、甲土地には乙建物が存在している。Bはある時点において、乙建物を所有していた。 3 これ…

平成24年度(2012年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1(この設問については民法は法名略。)[1] 1 (ア)について (1) C及びDは、Bに対して、共有持分権(249条)に基づき、甲建物明渡請求をすることが考えられる。かかる請求は認められるか。 ア 甲建物はA元所有である。C及びDはAの相続人であり…

平成23年度(2011年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

東大ロー入試過去問平成23年度刑事系解答例を公開! ・住居侵入罪 ・強盗致傷罪における「負傷」 ・伝聞法則と実況見分調書

平成24年度(2012年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

東大ロー入試過去問平成24年度刑事系解答例を公開! ・事後強盗罪における窃盗の機会 ・基本権侵害と自白法則

平成30年度(2018年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

東大ロー入試過去問平成30年度公法系解答例を公開! ・取材の自由 ・平等原則 ・レペタ事件判決(最大決平成元年3月8日) ・博多駅テレビフィルム提出命令事件判決(最大決昭和44年11月26日) ・泉佐野市民会館事件判決(最判平成7年3月7日) ・衆院選挙小選挙区制…

平成30年度(2018年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

東大ロー入試過去問平成30年度民事系解答例を公開! ・最決平成16年8月30日 ・契約締結上の過失 ・契約の不当破棄 ・間接強制 ・経営判断原則 ・ユノカル基準 ・独占交渉権

平成30年度(2018年度) 東大ロー入試 刑事系 解答例

東大ロー入試平成30年度刑事系解答例を公開! ・権利行使と恐喝罪(249条1項) ・他人名義のクレジットカード不正使用(最判平成16年2月9日) ・抽象的事実の錯誤と客観的構成要件充足性 ・接見指定(39条3項) ・最大判平成11年3月24日

平成29年度(2017年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例 第1 設問1 地方自治の本旨とは、権力分立と民主主義の学校という地方自治の意義にかんがみれば、住民自治と団体自治を意味する。 住民自治とは地方自治が住民の意思に基づいて行われるという民主主義的要素であり、団体自治とは地方自治は国から独立…

平成28年度(2016年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

平成27年度東大ロー入試過去問公法系解答例を公開! ・条例と法律の関係(「法律の範囲内」憲法94条) ・徳島市公安条例事件判決(最大判昭和50年9月10日) ・行政上の義務履行確保 ・最判平成14年7月9日

平成27年度(2015年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

平成27年度東大ロー入試過去問公法系解答例を公開! ・自己決定権(憲法13条) ・命名権 ・被告適格(行政事件訴訟法11条1項) ・原告適格(行政事件訴訟法9条1項)

平成26年度(2014年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

平成26年度東大ロー入試過去問民事系解答例を公開! ・思想良心の自由 ・君が代起立斉唱事件判決(最判平成23年5月30日) ・差止訴訟(行政事件訴訟法2条7項) ・最判平成24年2月29日 ・法定外抗告訴訟 ・当事者訴訟

平成29年度(2017年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

平成29年度東大ロー入試過去問民事系解答例を公開! ・時効取得前の第三者 ・時効取得後の第三者 ・時効取得後の第三者における背信的悪意者(最判平成18年1月17日参照。) ・重複訴訟禁止 ・重複訴訟禁止における確認の利益喪失論 ・別訴禁止・併合強制

平成28年度(2016年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

平成28年度東大ロー入試過去問民事系解答例を公開! ・保証人の主債務者の抗弁の援用の可否 ・請負代金債権と損害賠償債権(634条2項)の相殺の可否 ・固有必要的共同訴訟と通常共同訴訟 ・共同訴訟人間主張共通の原則 ・当然の補助参加(申出不要説)

平成27年度(2015年度) 東大ロー入試 民事系 解答例

解答例 第1 設問1 1 第1に、Aは乙に対し、会社法22条1項に基づく損害賠償請求をすることが考えられる[1]。 (1) 乙は甲の「事業」を「譲り受けた会社」である。 (2) 乙が甲の「桜設備株式会社」との「商号」を「引き続き使用」していたといえるか。乙の…