法律解釈の手筋

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『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』解答例

演習書・藪口康夫『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』(法学書院・2018)の解答例/参考答案例をUPしていきます。

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題2 解答例

解答例 第1 設問1 1 裁判所の本件判決は、弁論主義第1テーゼに反し許されないのではないか。 (1) 弁論主義とは、判決の基礎をなす事実の確定に必要な資料の収集、提出を当事者の権能かつ責任とする建前をいう。その趣旨は、私的自治の訴訟法的反映に基づく…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題32 解答例

解答例 第1 設問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) XY「訴訟」が「係属中」に、ZはXY訴訟の目的たるXのYに対する貸金返還請求権を譲り受けているため、かかる「権利」を譲り受けたと主張して、参加承継の申し出をすることができる(49条)。 第2 設問2 1 前述の…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題23 解答例

解答例 第1 設問1 1 本件では、訴状に記載されていないAを訴訟手続から排除し、Yに期日の呼出しを行うべきではないか。第1回口頭弁論期日において被告が訴状に記載されたYであるかどうかに疑義が生じているところ、当事者の確定が問題となる。 (1) 基準の…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題14 解答例

解答例 第1 設問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 本件訴状の送達が無効であるところ、再審の訴えが認められないか。 2 まず、訴状送達の不適法が338条1項3号の再審事由にあたるか。 (1) 有効に訴状の送達がされずに被告とされた者が訴訟に関与する機会…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題27 解答例 【否定説ver.】

解答例 第1 設問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 まず、XY訴訟とXZ訴訟は貸金返還請求権と保証債務履行請求権で訴訟物は別個であるため、両訴訟は通常共同訴訟(38条)の関係にある[1]。 2 XY訴訟について 裁判所は、XのYに対する消費貸借契約に基づく貸金…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題29 解答例

解答例 第1 設問1 1 「訴訟の結果」について、判決主文に限定するとの考え方があるが、元々かかる考え方も訴訟物に限定していなかったと考えられる。また、補助参加人は既判力に服するわけではないところ、判決主文と理由中の判断を区別する根拠はない。そ…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題30 解答例

解答例 第1 設問1 1 Xは本件訴訟の「当事者」にあたる。 2 本件訴訟は、「訴訟」が「係属」している。 3 Yは「第三者」であるが、「参加することができる」第三者にあたるか。本件では、補助参加(42条)の可否が問題となる。 (1) 「訴訟の結果」について…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題24 解答例

解答例 第1 設問1小問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 裁判所は、甲債権乙債権ともに成立・存在し、相殺適状にあるとの心証を形成しているところ、甲債権と乙債権はその対等額において消滅することになる(民法505条1項)。したがって、甲債権250万円は乙…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題10 解答例 【判例ver.】

解答例 【判例ver.】 第1 設問1 1 第1に、裁判所は、本件後訴が前訴既判力に抵触するとして、請求棄却判決をすべきではないか。信義則による後訴遮断の前提として、検討する[1]。 (1) 既判力とは、前訴確定判決の後訴での通用性ないしは基準性をいう。そ…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題8 解答例 【争点効肯定説ver.】

解答例 【争点効肯定説ver.】[1] 第1 設問1 1 第1に、「XY売買契約は詐欺によるものである」とのXの主張は、前訴既判力(114条1項)に抵触し、遮断されないか。前訴既判力が後訴に作用するか。 (1) 既判力とは、前訴確定判決の後訴での通用性ないしは基準…

『ロースクール演習 民事訴訟法[第2版]』 問題6 解答例 【勅使川原説ver.】

解答例 【勅使川原説ver.】 第1 設問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 Xの「Aは生存中に甲土地をCに贈与していた」との主張は、前訴既判力(114条1項)に抵触し、裁判所は審理・判断することが許されないのではないか。 (1) まず、前訴既判力が後訴に及ぶ…