東大ロー期末試験 解答例
解答例 第1 第1問 1 違法収集証拠排除法則により、覚せい剤の証拠能力は認められず、証拠とすることができないのではないか。 2 かかる法則を認める明文の規定はない。しかし、将来における違法捜査抑止の観点から、同法則を認める必要性がある。もっとも…
解答例 第1 問題1 設問1 1 第1に、裁判所は、本件においてXの本件建物共有持分権を有することの確認判決をすることは処分権主義に反せず、可能であった。 本件訴訟物はXの本件建物所有権である。これに対して、共有持分権確認判決が一部に認容判決として許…
解答例 第1 第1問 小問1[1] (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 Xの本問訴えは、確認の利益を欠き、不適法とならないか。 2 確認の利益とは、確認の訴えによる本案判決を求める必要性をいう。確認の訴えでは、その対象が無限定になるところ、訴えを限定する必…
解答例 第1 問題1 設問1 1 空欄には、「控訴を棄却し」が入ると思われる。 2 控訴においては、控訴人の利益又は不利益に判決を変更することができないという、不利益変更禁止の原則及び利益変更禁止の原則が認められる(304条)。その趣旨は、控訴における…
解答例 第1 問題1 小問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 まず、XのY1に対する請求とXのY2に対する請求が固有必要的共同訴訟か通常共同訴訟かが問題となるが、両請求は金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権と保証契約に基づく保証債務履行請求権とい…
解答例 第1 設問1[1] 1 検察官の公訴事実では、Xは投稿者とのわいせつ物公然陳列罪の共謀共同正犯であるのに対し、裁判所は、わいせつ物公然陳列罪の幇助犯との認定をしているところ、訴因変更手続(312条1項)を要する異なる訴因を認定しているとして、不告…
解答例 第1 第1問 1 まず、釈明権の前提として、所有権確認の訴えと共有持分権の訴えの関係が問題となる。この点について、共有持分権の法的性質は、複数の所有権が併存し、相互に制約している性質を有するものであるところ、実体的な包含関係があるとの考…
解答例 第1 設問1 1 (1) エレベーター内及び相談室内の足跡痕採取(以下、「本件採取」という。)は「強制の処分」(刑事訴訟法(以下法名略)197条1項但し書)にあたり、許されないのではないか。もし仮に「強制の処分」にあたるとすると、本件採取は捜査機関…
解答例 第1 第1問 小問1[1] (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 第1に、不要証効(179条)としての「自白」が成立しないか。 (1) 不要証効の生じる自白とは、当事者に争いのない事実である。そして、事実とは、争点整理機能の観点から、広く間接事実及び補助事…
解答例 第1 第1問 小問1 (以下、民事訴訟法は法名略。) 1 抗弁とは、請求原因と両立し、かつ、請求原因が存在することによる権利の発生を障害し、これを消滅させ、又は権利の行使を阻止する法律要件に該当する事実[1]をいう。 2 本件訴訟物は、XのYに対す…
解答例 第1 第1問 小問1 1 理由付否認とは、相手方の主張する事実と両立しない事実を積極的に主張する陳述[1]をいう。 2 本件訴訟物は、Xの甲建物所有権である。Xはかかる権利の発生を基礎付ける事実 として、「自分が甲建物を建築した」との主張①をし…