法律解釈の手筋

再現答案、参考答案、法律の解釈etc…徒然とUPしていくブログ… ※コメントや質問はTwitterまで!

令和6年度(2024年度) 東大ロー入試 公法系 解答例

解答例

第1 問1

1 本件処分は、たばこ事業法(以下、「法」という。)22条という「法令」に基づき、たばこ小売販売業という「許可」を求める行為に対する処分であり、「申請」(行政手続法(以下、「行手法」という。)2条3号)に対して拒否する処分にあたる。そこで、行政庁は行手法8条1項但書に該当する場合を除き、「処分の理由」を示さなければならない(行手法8条1項本文)。裁判所は、以下のとおり、本件処分の記載した内容が「処分の理由」(行手法8条1項本文)として不十分な記載であることを理由に本件処分を取り消すことができる。

(1) 行手法8条1項本文が理由の提示を義務付ける趣旨は、行政庁の判断の慎重・合理性を担保し恣意を抑制するとともに、処分の理由を被処分者に知らせ不服申立て等で争う場合の便宜を与える点にある。そして、判例によれば、どの程度の理由を提示すべきかは、当該処分の根拠法令の規定内容、当該処分に係る審査基準の存否及び内容、当該処分の性質及び内容、当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮して決定すべきであるとする[1]

(2) 法23条3項は、

この続きはcodocで購入