解答例
第１ 設問１[1]
１ Yの主張の根拠は、訴えの交換的変更によって、XのYに対する甲土地明渡請求の訴えを取り下げたのであるから、再訴禁止効(262条2項)により訴え却下される、というものであると考えられる。かかる主張の当否について、訴えの交換的変更には訴えの取下げが含まれ、本件でもXのYに対する所有権に基づく甲土地明渡請求権について再訴禁止効が生じるものの、例外的に再訴が許されるため、Yの主張は認められないと考える。
２ 訴えの交換的変更の法的性質
(１) 訴えの交換的変更の法的性質は、新請求の追加的変更と旧請求にかかる訴えの取下げの複合行為であると考える[2]。
(２) 本件でも、控訴審において訴えの交換的変更がされており、旧請求であるXのYに対する所有権に基づく甲土地明渡請求権については、訴えの取下げが認められる。
３ 再訴禁止該当性
(１) 前述のとおり、Xは訴えの交換的変更によって、「訴えを取り下げた」。
(２)本件では、第1審において勝訴判決という本案判決がされているところ、「終局判決」(262条2項、243条1項)がある。
(３) 訴えの交換的変更による訴えの取下げは、控訴審においてされているため、終局判決「があった後」にされている。
(４) 「同一の訴え」とは、訴訟物が同一であることをいう。本件②訴訟の訴訟物は、
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