法律解釈の手筋

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令和5年度 予備試験 商法 解答例

解答例

第1 設問1(以下、会社法については、法名略。)

1 第1に、乙社は、議案の要領の通知請求(305条1項)が無視されたことは、305条1項に反し、「招集の手続」が「法令」に「違反」すると主張することが考えられる。かかる主張は、以下のとおり認められる。

(1) 甲社は「公開会社」(2条5号)である。甲社の株主総会は令和5年6月29日開催であるのに対して、乙社の通知請求は同年4月20日にされており、「八週間前」になされている。また、甲社は「取締役会設置会社」(327条1項1号)であるが、乙社は甲社株式を令和6月頃から継続して10%保有しており、「百分の一以上の議決権」を「六箇月前」から「引き続き有する株主」にあたる。したがって、乙社の通知請求は適法に認められ、甲社がこれを無視したことは、305条1項に反する。

(2) したがって、Eの主張は認められる。なお、議案の要領通知請求は、株主の共益権として重要な権利であり、かかる違反は「重大」(831条2項)といえ、裁量棄却は認められない。

2 第2に、①株主総会の議決権行使の代理人を株主に限る旨の甲社定款は無効であり、無効な定款に基づいてEの本件総会への代理出席を拒絶したことは310条1項に反し、「決議の方法」に「法令」に「違反」する、②仮に定款が有効だとしても、甲社定款に基づいてEの代理出席を拒絶することはできず、甲社定款に基づいてEの本件総会への代理出席を拒絶したことは310条1項に反し、「決議の方法」に「法令」に「違反」すると主張することが考えられる。かかる主張は、以下のとおり認められる。

(1) 310条1項は、

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