法律解釈の手筋

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京大ロー入試 平成30年度 刑事訴訟法 解答例

解答例

1 自白法則とは、被疑者・被告人が自己の犯罪事実ないし公訴事実の全部又は主要部分を認める供述について、その供述が任意にされたものでない疑いがあるときに証拠として用いることを禁止する証拠法則である(憲法38条2項、法319条1項)。その趣旨は、任意になされたものでない自白は類型的にみて虚偽のおそれが高いところ、誤判防止の観点から証拠能力を否定する点にある。

2 伝聞法則とは、公判廷外の原供述をその内容の真実性を証明するための証拠として用いることを原則として禁止する証拠法則である(320条1項)。その趣旨は、伝聞証拠は、知覚、記憶、叙述、表現の各過程に誤りが介在する危険があるにも関わらず、反対尋問等によってその内容の正確性を担保できないため、誤判防止の観点から証拠能力を否定する点にある。

3 自白法則と伝聞法則は、どちらも誤判防止の観点から法律的関連性を否定する点で共通する。証拠能力が否定される結果、証拠調べが行われない。

4 これに対し、自白法則と伝聞法則は、以下の点で相違する。

第1に、伝聞法則は、公判廷外の供述で内容の真実性を証明するために使用する証拠であれば被疑者・被告人であるか第三者であるかを問わず適用される証拠法則であるのに対して、自白法則は、被疑者・被告人の供述にのみ適用される証拠法則である。

第2に、伝聞法則については、321条以下で伝聞例外が規定され、例外的に証拠能力が認められることがあるのに対し、自白法則については、例外的に証拠能力が認められる規定が存在しない。

 以上