解答例
第1 問1(以下、民事訴訟法については、法名略。)
1 裁判所は、弁済の事実について真偽不明の状態にある。このような場合に、裁判所は弁済の事実がなかったと認定すべきか。証明責任の分配基準が問題となる。
2 証明責任とは、裁判所が、ある要件事実について真偽不明に陥った場合に、判決において、その事実を要件とする自己に有利な法律効果の発生又は不発生が認められないことになる一方当事者の不利益をいう。そして、自己に有利な法規かどうかは、実体法の趣旨を基準に分配し、立証の難易、証拠との距離等によって微調整すると考える[1]。
3 本件訴訟物は、XのYに対する金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権である。かかる訴訟物の請求原因事実たる要件事実は①金銭返還合意②金銭の交付③返還時期の合意④返還時期の到来である。そして、弁済の事実は、
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